事務所保有の試験計測の機器とその教育訓練状況紹介

当事務所では自ら試験計測を実施して的確な判断をするために、下記の通り各種の試験計測機器を導入しています。
また準会員や新入会員の為に教育訓練の為の設備も備えています。

当事務所の試験計測機器と訓練教育施設
▲試験計測機器と訓練教育施設
試験訓練用の高圧受電盤と地絡保護付き開閉器
▲試験訓練用の高圧受電盤と地絡保護付き開閉器

1.無方向性地絡継電器試験(主に構内第1柱用)

【型式】 双興電機GER-2000K
試験機は双興電機製GER−2000Kを使用、試験対象機器にはAOG本体とGRをフレームに組み付けています(準会員の息子と二人で組み立てました) 。 そして当事務所独自の工夫として、GRと試験用コードをワンタッチ接続可能にする為の改造がしてあります。
試験機の電源はGRの電源端子にAC100ボルトのコードコネクタを取り付、 試験電流用kt−lt端子にはイヤホンプラグ、GR動作出力接点にはDC電源プラグをそれぞれ取り付けました。
そして、自己電源にてAOG投入状態での最小動作電流の測定と、GR単体の動作時間測定の為のトリップ回路開放用マイクロスイッチ(以後MS)を取り付けました。
MSを指で押してAOGが動作しないようにして、最小動作電流とGR単体の動作時間の測定が可能です。

構内第1柱GR試験状況
▲構内第1柱GR試験状況
最後にMSから指を離して試験をすればAOG連動の動作時間の測定ができます。
通常のワニ口クリップとトリップ回路配線外し方式での測定試験に10分から15分必要なのに比較して、この方式では2分程度で終了します、また接続間違いによるGRの破壊もありません。

構内第1柱GR試験接続部
▲構内第1柱GR試験接続部
プラグを使った接続状況とトリップ回路開放用マイクロスイッチ(コードで押すことのないようガードを取り付け) このMSにより受電中のお客様のGRトリップ試験が可能です、またGR試験機を接続して稼働中での特性試験も可能です。

2.方向性地絡継電器試験、(構内第1柱及び饋電回路用)

【型式】 双興電機製DGR3050CVKまたはCGRT−02K使用
双興電機GER-2000K(上記-1)と同じく試験電流端子、零相電圧試験端子、動作接点端子、電源接続端子の全てをプラグ接続に改造しました。また試験は他電源のため、充電式安定化電源AD-300Cを導入して毎年の計測結果の安定化をはかっています。

DGR試験
▲DGR試験
光商工LDGシリーズの継電器を試験中の様子、後方にはオムロンK2GS−BT継電器もあり、試験可能です。

AOG用DGR試験
▲AOG用DGR試験
エナジーDGAR−RFT1の継電器を試験中の様子

3.過電流継電器のVCB連動試験

【型式】保護継電器はオムロンK2CA−DO及び三菱MOC−A1T−R使用
お客さんの施設で不要になったVCB受電盤を譲り受けて準会員の息子と試験用に改造しました。 試験電流を流すために、試験コードをワンタッチで接続可能なように改造しました。

OCR試験状況
▲OCR試験状況
当事務所の試験の特徴は発電機にホンダ製(バイクと同じでとても丈夫で壊れない)のインバーター式、試験器は双興電機製の自動整定式、動作検出に小和田計測器の振動センサーを使用していて、毎年の測定値が極めて安定した数値となっています。

4.不足電圧、過電圧継電器試験

【型式】双興電機製のDGR3050CVK、CGRT−02K、BCT−25Kが使用可能
保護継電器はオムロンCVS−DO、K2ZC−K2UVその他系統連係保護継電器を使用します。

電圧継電器試験
▲電圧継電器試験

5.系統連係保護継電器試験(発電所と商用電源接続用)

【型式】双興電機CGRT−02K使用
受託契約のお客様に発電所(出力990kw)が設置され(現在は選任に変更)点検を当事務所で実施する為と技術力向上のために計測機器と保護継電器を購入しました。
これにより当初は電力会社との連携協議を発電機メーカーに依頼していたのが当事務所で行えるようになり、メンテナンス等もしっかり実施できるようになりました。

系統連携系統連携保護継電器試験
▲系統連携保護継電器試験
保護継電器は現在殆どの発電所で使用されていますオムロンK2ZC-K2シリーズ(OVGR、三相OVR、UVR、UFR、RPR、DSR)および三菱電機CPP1-AO2D2を使用しています。
特に三菱電機CPP1-AO2D2は取扱いを熟知していないと、電力会社指定の整定値設定や試験作業に手間取り、予定試験時間のオーバーで立会者等に迷惑をかけてしまいます。

6.交流、直流絶縁耐力試験

【型式】交流絶縁耐力試験:双興電機BCT−25Kと耐圧用変圧器とリアクルを使用
【型式】直流絶縁耐力試験:中部精機のハイリケスタHLD−20Aを使用

検電器は長谷川電機のHS−20A(AC・DC3000〜25000V)試験対象機器が高圧なので、一般的な高圧用検電器を使用される方がいますが、必ず試験電圧に対応した検電器が必要です。


▲交流耐圧試験機器とその検電器
直流耐圧試験器
▲直流耐圧試験機器とその検電器

7.絶縁油特性試験

【型式】耐圧試験:双興電機のAMT−106Mを使用
【型式】酸化測定:双興電機のSK−01を使用

絶縁油試験装置
▲絶縁油試験装置

8.アクティブメーター活線絶縁抵抗測定器

【型式】双興電機アクティブメーターAM−2000NK使用
近年無停電が必須な機器の増加により、停電状態での絶縁抵抗測定が困難になったり、医療機器の一部には絶縁抵抗測定のための電圧印加を禁止する物もあります。
その場合はこの測定器で絶縁抵抗の測定を実施します、ただし数年に一回は停電状態での絶縁抵抗測定をお願いしています。

活線絶縁測定器
▲活線絶縁測定器

9.ミリセコンドカウンター

【型式】双興電機のMSC−1K使用
第1柱上のAOGやPASSの動作時間測定に用います、GRを試験スイッチで動作させるとき、GRの動作接点かトリップ電圧でカウンターのスタート信号とします。
GRの電源をストップ信号とすればPASSの単体動作時間の測定が可能です。

ミリセコンドカウンター
▲ミリセコンドカウンター

10.電力測定器

【型式】HIOKI製3168クランプパワーテスター等使用
電気使用状況の分析による電気料金低減対策や、負荷設備機器の分析等の為に電力測定器を完備しています。
常日頃負荷設備の電気特性を把握しておき、新設備導入時や増設時には迅速に変圧器等選定ができることが必要と考えます。
また、お客様の変電設備の余裕も正確に把握する為に電力測定器は必須と思います。

電力分析機器
▲電力分析機器

教育訓練

当事務所では上記の試験計測機器や試験用継電器、高圧機器を揃えて、開業希望の準会員や新入会員の教育訓練にも力を入れています。
これにより、当事務所の緊急応援体制を構成する各保安管理技術者は一定以上の技術レベルを保持しています。

保安教育風景
▲保安教育の様子
試験訓練用の高圧受電盤と地絡保護付き開閉器
▲教育訓練の様子